矯正治療のはてな???

 

Q1:歯並びが悪いと歯の病気にかかりやすいって本当ですか?
 
A1:歯並びと歯の病気は密接な関係があります。歯並びが悪いと食べカスが歯の間にたまりやすく、それがプラークとなって歯の表面、あるいは歯と歯ぐきの間に付きます。するとむし歯や歯周病の病原菌が繁殖し、むし歯や歯周病にかかるのです。



Q2:矯正治療ってどんな事をするの?
 
A2:歯は顎の骨(歯槽骨:しそうこつ)に埋まっていますが、骨との間には歯根膜(しこんまく)という組織がクッションのように存在します。歯に横から力を加えると、歯ぐきの中に埋まっている歯根膜に接する歯槽骨が吸収され、反対側のほうでは歯槽骨が新しく生まれてきます。この力を適切にコントロールすることで歯が無理なく動いていくのです。
矯正装置は大きく分類すると、取り外し可能なもの(可撤式)と、取り外しできないもの(固定式)があります。可撤式装置のみで矯正できるケースは少なく、特に歯を抜いて治療する際は固定式装置をつけなければなりません。最近では、固定式のなかにも歯に接着する金具(ブラケット)を外から目立ちにくい材質(セラミック)にしたものや、装置全体を歯の裏側に装着する方法などがあります。



Q3:矯正治療を始めるのに適した年齢は?
 
A3:治療を受ける年齢に制限はありませんが、歯並びの悪さの程度、種類により治療開始時期は異なります。部分的な障害を取り除いてから11~12歳まで待って全体的に治療を行うというのが一般的です。その他、11~12歳頃まで待って全体的に治療を行う場合や、1歯2歯のうちから継続的に萌出にあわせて治療を行う場合と、3パターンに分かれます。
治療期間は歯並びの程度や本人の協力度によって異なりますが、固定式装置でも2~3年かかります。またその後、動かした歯をその位置にとどめておく可撤式の装置を入れます。現在、矯正治療を行っている患者さんの80%以上に抜歯が必要です。顎と骨のバランスがくるっている場合、あるいは上下の顎のバランスがずれている場合など、健全な永久歯を抜歯して治療を行います。



Q4:出っ歯を治す為に、矯正治療をしようと考えているのですが。
 
A4:上顎前突(出っ歯)の場合上下の顎骨の位置関係に問題があるときは、まずその改善を行うことが必要です。男子では上顎骨は16歳、下顎骨は18歳頃まで、女子では上顎骨は14歳頃まで、下顎骨は16歳頃まで成長を続けます。骨が成長しているときに適切な力を加えると、その成長をある程度コントロールできます。
下顎前突(受け口)の場合完全に永久歯が生え揃っていない段階なら、まず前歯の噛み合わせを改善します。同時に、成長の誘導を行います。こうした時期を逸した場合、また十分に成長誘導できなかった場合は、上下の前歯の位置で補います。



Q5:矯正治療中の注意点は?
 
A5:矯正装置をつけている間、一番大切なのはブラッシングです。口の中はブラケットやワイヤーがはりめぐらされているため、細かなところは歯ブラシの毛先が届きにくく、むし歯や歯肉炎になりがちです。ブラッシングは、ワイヤーを中心に、上下に分けてみがくのが基本です。歯先側からみがくときは、毛先を歯ぐきに向けて斜め45度くらいにし、毛先をブラケットの中やワイヤーの下にもぐりこませながら横に1~2ミリ振動させます。さらに歯ぐき側からも同じようにみがきます。次に、毛先を直角に立てて歯と歯ぐきの境目に押し付けるようにし、手元を細かく震わせます。